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  2007年9月29日(土) 栗原 宏美  
  こんにちは、昨日までとはうって変わってすっかり秋の気候となりました。スーツのジャケットも暑く感じませんでした。
この気候はいつまで続くんでしょうか…。
さて、私にとっては、昨日がこの夏最後のインターンシップ活動となりました。
県庁で本会議の傍聴をさせていただきました。松尾さんと同じ会派の菅原さんが一般質問をされるということで、夕方からの大学の講座を欠席して、県庁に残ることに。(大学の講義<本会議傍聴)
実は、本会議の傍聴はインターン最終日にして初めてでした。傍聴券を取り、議席全体がよく見える位置に独りで陣取って座っていると…
質問者が変わる度に傍聴席の様子が変わるのです。まるで総入れ替え制のような感じです。おそらくその質問者の方の応援の方(実際拍手や旗などで応援することはできませんが)なのでしょう。資料を片手に、皆さん熱心に聴かれていました。思わず拍手している人もちらほら。
勿論、応援している議員さん(もしくは会派)の発言は注目に値するものですし、傍聴人が沢山いれば発言者の方にとっても大きな力になると思います。しかし「今、議会で何が問われているのか、現状はどうなのか」「県民の要請は実現されるのか」…こういったことを知るのが傍聴の意義ではないかと思います。何も最初から最後までいなければならないということではありません。応援している議員さんは自分たちの要請を代表してくれているのか、知事や教育長はどう答えているのか。また他の議員さんは何を問題とし、県政に反映しようとしているのか。こういったことを知る、という意識を持って傍聴すべきではないかと、入場も退場も何故かバタバタしている傍聴席にいながら感じました。ただの「応援」に留まってはとても勿体ないものです。
ところで、今回の一般質問内容としては、医療(産科・小児科)問題、教育問題(英語教育など)、治安問題などなど実に多岐にわたるものでした。どれも一度は新聞や市報で目にしたような問題です。
既に国会や他の地方自治体と掛け合い、解決に向けて前進している問題や、前向きに検討がなされている現状が報告された例も少なからず見受けられ、「机上の空論」に終わってはいないな、というのが率直な感想です。
ただ、「数字の裏付け」が弱い。これは大問題だと思いました。例えば、警察署の新設が要請されている市について、質問者が提示した基準に見合った回答が出ない。養護学校へのスクールバスサービスについて、事例がひとつしか提示されない…。
データを並べさえすればよいというのではありませんが、現状を知るため、また目標設定のために「数字」はとても重要であると思います。実地調査には時間も労力もかかるということは分かりますが、現状を知るため、市民との認識のズレをなくすためにも必要なことではないでしょうか。県土もある程度広く、人口も多い神奈川県全体を見渡し、よりよい県政のために、もっと「地域を知る」ことが大切であると思います。

さて、今日でこのインターン日記を書かせていただくのも最後となりました。
松尾さんをはじめ、大志会の2人の議員さん、活動を共にしたインターン生の福岡さん、真鍋さん、地元の活動でお世話になったたくさんの方々…この夏のインターンに参加して、「人とのつながり」を強く感じました。貴重な経験をさせていただき、少し、「社会」が見えた気がします。この場をお借りしてお礼を申し上げます、ありがとうございました。
私は来年1月、ようやく選挙権を手に入れます。ひとりの成人として、日本人として、神奈川県民として、藤沢市民として…責任を持って政治に興味をもち、参画していきたいと思います。
 
  2007年9月27日(木) 真鍋菜奈美  
  こんにちは!インターンから帰宅して、月見団子を作ってのんびりお月見をした真鍋です。

この日のインターンは、県議会の傍聴でした。自民党→民主党→県政会→自民党の順で議員さんが質問されていました。
最後の議員さんの質問は、その議員さんが選出された地域の諸問題を取り上げたものだったのですが、議員さんの番が来る前に傍聴者が一気に増え、みなさん食い入るように議員さんを見つめ質問に耳を傾けていらっしゃいました。
私はその議員さんが選出された地域には住んでいないので事情が分からないのもあって関心も低かったのですが、やはり地元の方にとっては生活にかかわってくることなのでメモをたくさんとったり、質問が終わったら思わず…といった感じで拍手されている方もいらっしゃいました。

この日で、私のインターンは終了でした。夏休みの2ヶ月インターンをさせていただきましたが、初めは不安でいっぱいでした。政治に関して大した知識もなく、政治家と呼ばれる方々が普段どんな仕事をなさっているかも分かりませんでした。でも、実際に松尾さんと一緒に行動させていただいたみて、何よりも人と人とのつながりを強く感じました。行く先々だけでなく、移動中にもいろんな方が松尾さんに声をかけたり、逆に松尾さんから声をかけられたりして話しておられました。どんな職業についても大事なことですが、だからこそより一層大切なことであり、原点なのだな、と思いました。

もう夏休みも終わり、大学が始まります。この2ヶ月で学んだたくさんのことをこれからの生活に生かしていきたいと思います。

最後になりますが、松尾さん、貴重な経験をさせてくださってありがとうございました。
 
  2007年9月24日(月) 栗原 宏美  
  こんにちは、「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、まだまだ昼間は暑いですね。日差しはまだ夏です。日本の四季がなくなるのも時間の問題なのでしょうか…。
さて、昨日(土曜日)のインターンについてご報告します。
鎌倉市役所横の施設(NPO団体は無料で使えるそうです!)にて
KKC"キープ鎌倉クリーン推進会議"に参加させていただきました。元々、鎌倉には幾つかの環境系NPO団体があったそうですが、少人数でバラバラに行動するよりは、まとまってもっと連携を、ということで「KKC」が誕生したそうです。
このNPOは、定例会で街にあふれる違法看板、落書きなどの問題について協議(どこに看板や落書きがあるのかなどの情報交換)し、看板の撤去作業などを定期的に行い、行政にも働きかけているそうです。
実際の写真を見せていただいたのですが、如何せん違法看板は分かりにくい、というのが率直な感想です。周辺地図と一緒くたになっている看板、片隅に「ポイ捨て禁止」と書いて吸い殻入れと共に設置される重厚な作りの看板、ベンチの背もたれが広告になっているもの(これが違法だとは知りませんでした)などなど…。Before・After(撤去前・撤去後)の写真を見ると、これらが街の景観を損ねているのがよく分かります。
看板も落書きも、消しては書かれ、撤去しては設置され…のいたちごっこのようです。
最後に私も少し感想を述べさせていただきましたが、このような作業には人手と時間が要ります。体力のある私たち学生や、散歩ついでに…という家族連れも一緒になって活動できるようになれば、もっと効率よく、楽しく、街の景観を取り戻すことができるのではないでしょうか。そのために、もっとこの活動自体のPRがなされるといいと思います。市の広報の片隅にお知らせとして載せたり、大学の事務所にかけあってポスターなどを掲示したり…。課題があるとすれば、もっと活動の輪を広げることだと思います。
約2時間という短い時間でしたが、新たな発見を得た貴重な会議でした。
 
  2007年9月23日(日) 真鍋菜奈美  
  さすがに夜は涼しくなってきましたね…こんにちは、真鍋です。


今日のインターンは表参道から始まりました!共育コーチング研究会の研究大会に行ってきました。
東京大学の准教授の方の講演とパネルディスカッションを聞いてきました。
コーチの方に教職者の方がいらっしゃるようだったしコーチングの対象がこどもということもあって、会場には自分の親世代とかもう少し下の世代の方が多いのかな、と思っていたので、私と同い年くらいの方も大勢いらっしゃったのには驚きました。
「直感は学習から生まれる。」…すなわち、直感力は生涯を通じて向上していくということらしいです。この言葉を信じていろんなことを学んでいきたいと思いました。笑

午後からは、大船でスクエアに参加しました!今日は「議会基本条例」について話し合いました。既にある町議会では制定されて実施されているらしいのですが、神奈川県となるとその規模が一気に大きくなってしまいなかなか制定するのが難しいのかな、という印象を受けました。しかしながら、二台行政である知事と議員の立場を対等にするという点からは非常に重要なことなので、なるべく早く実現してほしい、と一神奈川県民として思いました。
また、議案が通るかどうかもそのときの議長さんの裁量によって決まるので、議長さんの任期など、元からあるルールをおざなりにせず守っていくことがまず第一なのではないかとも感じました。


今月の『温故知新』に今年は25日がお月見と書いてありました。月をみながらお団子を食べたいと思います。それでは☆
 
  2007年9月22日(土) 真鍋菜奈美  
  まだまだ照りつける太陽の熱さには敵いません…こんにちは、真鍋です。

今日は、まずKKCというNPO団体の会議に参加させていただきました。鎌倉市役所に隣接しているNPOセンターで毎月会議を行っておられ、毎月の活動報告や議題について話し合われています。
前回も参加させていただいたのですが、この会議に参加して感じたのは…みなさん熱い!とてもエネルギッシュな方々が多くて、その行動力には驚かされます。
そのエネルギーの源は、地元・鎌倉を愛する気持ちなのだな、と思いました。元は違う団体で活動していた人たちが、共通の目的に向かって一致団結していく。何かを変えるには、目には映らない部分でのエネルギーも非常に重要なのだなと、当たり前のことではありますが、強くそう思いました。

その後鎌倉駅までゴミ拾いをしてからお昼をはさんで午後は、西鎌倉小学校の運動会に行ってきました!
久しぶりの運動会は、自分が幼かったころには気づけなかった、先生や保護者等大人の優しさが見えました。子供たちが頑張っているのはもちろんでしたが、それをサポートしている大人がいなければやはり成立は難しいと思います。家族が見に来てくれる!それだけでも嬉しくて、練習のときよりもっと頑張れる。1番になってもビリになっても変わらず拍手をする子供たちは、みんな笑顔でした。

みなさんまだまだ外にいるときには熱射病にはお気をつけて!真鍋でした☆
 
  2007年9月19日(水) 真鍋菜奈美  
  こんにちは!そろそろ夜は肌寒くなってきましたね、真鍋です。

今朝はまず鎌倉駅東口で駅頭を行いました。
8月中とは異なり、朝早くから小学生や中学生がたくさん登校していくのを見送りました。挨拶をすると、ちょっとこちらを伺いながらも、おはようございますと返してくれます。中にはチラシをくださいって言ってくれる子もおり、渡すと笑顔で友達のところまで駆けていくのを見て、その爽やかな姿にたくさんの元気を分けてもらいました(^^)

その後は、県庁へと向かい県議会を傍聴しました。この日は質疑が行われました。自民党・民主党・公明党の代表質疑でしたが、知事と議員の方が意見交換をするのをこの目で見るのは初めてだったので、どんなものなのだろうかと少し緊張していました。初めての県議会の傍聴は…率直に言って、傍聴している側にはよく分からない部分が多かったのではないかと思いました。傍聴者に配られる資料としては、今期の議会で話し合われる議案名を連ねたものしか配布されないので、よほど取り扱われている議案に関する知識に長けていなければ内容をきちんと把握するのが難しいように思われました。

近くの公園の銀杏から銀杏の香りが…また今年も秋が来たことを感じました。季節の変わり目には風邪を引きやすいので、みなさんも用心してください!それでは、また☆
 
  2007年9月15日(土) 福岡雄太  
  こんにちわ、福岡雄太です。
今週のインターンについて立て続けに書いてます。
今回は短く9月13日のインターンについて話をしたいと思います。

9月13日は朝7時に大船駅モノレール口に集合して、久々にビラ配りをしました。
僕は朝食をたくさん食べる人間なので、いつも配りはじめはお腹がパンパンで、腹の底から声が出ません。
しかし30分もたてば少しずつ腹にスペースが空いてくるのが感じられ、声が出るようになります。
朝から少しずつ暖かくなってくる日光を浴びながら、声を出すのはとても気持ちいいです。
終わった後は、しっかり目が覚め爽快な気分になって、さあ一日がんばるぞ、という気分になります。
インターンをしている中で、これが一番好きな瞬間です。朝ビラ配り終えて、次の目的地に行こう、という瞬間。この瞬間は今年の夏の良い思い出になるだろうな、と思っています。

ビラを配り終わった後は県庁に赴き、議会を傍聴しました。
議会開始までの間、松尾さんが所属する大志会の控え室には様々な人が段取り説明や、陳情やらの目的で出入りして、何か大きな事が始まるのだという空気を感じ、一種の緊張感も味わいました。
しかしながら、午後から始まった議会は、知事が議案をひたすら読み上げているだけで、緊張も眠気に変わってしまいました(笑) 

議場の上から見た松尾さんの背中は、非常に頼もしく見えました。
今まで同じ目線で行動を共にし、年齢もそこまで遠くないことから、”アニキ”的な感じで松尾さんを見ていましたが、議会の中にいる松尾さんは、大志を抱き果敢に県政へと挑戦しようとする一若手議員として、とても頼もしく見えました。

後1週間で僕はインターンを辞め、また1年間鎌倉を離れなければなりません。正直言って、これからも後1年くらいはインターンして、松尾さんがどう活躍していくのか見ていたいのですが、仕方ありません。
遠くからではありますが、見守っていたいと思いますし、インターン後も鎌倉市民として、そして変革を夢みる一人の若者として、松尾さんを応援していきたいなと思いました。  

後1週間、精一杯インターンから学びたいと思います。
 
  2007年9月15日(土) 福岡雄太  
  福岡雄太です。今日は議論についての話をします。

9月11日に、教育委員会の定例会を傍聴しました。
この会では、居酒屋チェーンのワタミの社長の渡邊さんやNHKキャスターの宮崎みどりさんが出席しており、オーソドックスな議員/行政職員の会議とは少し異なった雰囲気がありました。印象に残った事は、違法会計手続きの改正ついての、渡邊社長と職員らのやり取りでした。社長は徹底的な批判姿勢を持ち、しかも自分質問や論点を明確にしながら話せられる人で、職員達にかなり厳しい質問を浴びせていました。そこで職員らがどう応戦していくのか、行政の十八番、 “論点をぼかして、論理的でもなく、しかも非論理的でもない名答弁”をどう繰り出していくのか、どう回答してすり抜けていくのか、とても見応えがありました。今回はさすがに競争社会の荒波にもまれながらトップに登り詰めた社長の追求だけあって容赦がなく、行政側はたじたじだったようです。萎縮してしまったのでしょうか、途中で行政側の回答者の声が小さくなって、傍聴席にまで届かなくなるほどでした。

定例会終了後、傍聴者の間では渡邊社長の徹底した姿勢を賞賛する声がありましたが、僕も同様にとても興奮させられたし、意義のある議論をしたという点で賞賛したいです。しかし、社長のように、相手の説明が不明確であれば、わかるまで聞き返し、質問の答えになっていなければ指摘し、筋が通っていなければ反論する、という姿勢は議論に参加するものとして最低限もっていて当然だと思います。特に行政役人を相手にナアナアで議論していたら、建設的な話もできずにただ時間の無駄になってしまうと、僕はインターンを通じて感じてきました。行政側の人は悪人ではありません。だから勿論、説明責任を感じていることだと思いますし、しっかりと前向きな話し合いをしようと心がけていると思います(そう願います)。しかしながら、時折、議員らの質問に対し曖昧模糊な回答をし、その場をやり過ごすようなことがあることも否めません。非常に長い枕詞を使い、さも当を得たような回答をしながら、結局何が言いたかったことなのかと、首を傾げざるおえないことがありました。

これから、選挙で選ばれた議員の働きかけのみならず、市や県政に対して、一般市民による提案/要求型の活動がこれからどんどん活発化していくだろう(そうなってもらいたい)と思います。例えば、この間定例会に参加させて頂いた、KKC(キープ鎌倉クリーン)のような市民団体が、ある地域公共的問題の解決策として条例制定を自発的に提案する、“市民立法”、は地方分権の時代の大きなテーマになると思います。そして、市民が立法のプロセスを通して、行政との話し合いの場を設けることが少なからずあるだろうと思いますが、その際、市民は議論にのぞむための心構えを持っておくことが大事だと思います。 わかりにくい“役人言葉”に惑わされることなく、相手の答弁を明確に理解できるようにし、また行政と市民の間で解釈の差異が発生しないように、徹底して対話/質問/追求する姿勢を持つ。“今後対応する”とか“今後対処する”、“努力する”、“今後検討する”、という言葉が行政の側から出て来たら、必ず、実行してもらい、いつまでに結論を出してくれるのか、明確にしてもらう。などなど。 市民の側も行政との対話へ向けて、こうした“武装”をしていく必要があるでしょう。 参考として、『市民がつくるくらし、自治、未来』(県民のいのちとくらしを守る共同行動委員会編、2004年、明石書店)の第5章に、行政のわかりにくい回答のよみかたが書かれています。とてもおもしろい分析が書かれているので、興味のある方は是非読んでみてください。

今回は渡辺社長と行政のやり取りをみて、いかに市民の側が行政とつき合っていくべきか、どのように話し合いをするべきなのか、考えさせられました。
 
  2007年9月14日(金) 栗原 宏美  
  こんにちは。朝夕は少し涼しくなってきましたね。
さて、昨日のインターンについて書こうと思います。

朝はチラシ配りからスタート。
昨日は大船駅モノレール連絡口付近でやりました。私は初めてです。モノレールが来ると通勤・通学の人、人、人…波のように押し寄せてきます。そんな中、発声練習よろしく声を出して約2時間。喉もガラガラです。
若い男性が受け取りがてら「応援してます!」と言ってくださったのが印象的でした。

午後は本会議!初めて県庁の議場(傍聴席)に入れてもらいました。
まだ初日なので議案説明のみですが、ここから各委員会に議案が振り分けられ、審議がスタートするということです。
「陳情」(一般市民や市民団体からの要望や請願)の数の多さに少し驚きました。
もうすぐ大学の授業が始まりますが、時間が許す限り県庁に出向いて議会を見て、聴きたいと思います。
 
  2007年9月1日(土) 福岡雄太  
  こんにちわ、福岡雄太です。今日は少しばかりですが、ゴミのポイ捨てについて話します。

今朝7時より、毎月第1土曜日恒例の大船駅前クリーン大作戦という清掃活動に参加しました。

大船駅前に捨てられているゴミの特徴は、まず、タバコの吸い殻が多いという事でしょうか。
無造作に、様々なところにポイっと捨てられているタバコは、比較的キレイな街の中にあって非常に目立ちます。ただ捨てられる場所にもある程度規則性みたいなのが存在しているようで、道路があまりキレイに舗装されてなく、凸凹にゴミが挟まりやすい場所が最もタバコを捨てられる確率が高いようです。 
道路自体が元々キレイだとは言いがたいので、タバコを捨ててもそこまで罪悪感がうまれないのでしょうか。逆に、大船の西友辺りからイトーヨーカドーまでの赤レンガで舗装された道路にはほとんど吸い殻は捨てられていませんでした。勿論、人通りの多さが全く違うから、という理由が一番優勢だと思います。しかし、精神的理由も否めないと思います。実際に僕がその赤煉瓦チックな歩道を歩いてみて、ゴミを捨てることに気がひけ、もし捨てたとしても罪悪を感じそうだ、と思いました。

タバコのポイ捨てとともに目につくのが、駐車場に散乱する大量のゴミです
。大船にある駐車場のほとんどは管理する人がいないので、清掃に誰かが行かねば、次々にゴミが捨てられていきます。中には飲みかけのジュースやコーヒーが放置され悪臭を放っているものもありました。
なぜゴミが溜まっていくのでしょうか。
一度誰かがゴミを捨てて、放置されているのを見た他の利用者達は、(それが望ましくないことだとわかっていたとしても)”まあ、僕も捨ててもいいだろう”といった気分になるのでしょうか。
その軽率な精神の積み重ねが、今日見たようなゴミの山になるのでしょうか。 

あるアメリカの学者によると、こういった人間の精神を、”割れ窓理論”というもので説明できるようです。
例えば、ビルの割れた窓を長い間放置しておくと、それが街の普通の光景として人々の無意識にインプットされ、誰かが他の窓を次々と割ったとしても大した罪悪を感じなくなる。またそれがやがて、大きな犯罪に繋がる。よって小さな犯罪を許さない強い態度が、大きな犯罪の抑止になる、という理論だそうです。

タバコのポイ捨てに駐車場のゴミ。これらは当事者のちょっとした気配りがあれば、ちょっとしたマナーがあれば、防げるものだと思いますが、その”ちょっと”がでてこないのはどうしてなのでしょう。

ところで、イタリアのある友人が、ポイ捨てなど全く気にしない、と言っていました。なぜなら、自分がゴミを捨てることによって、清掃する人に仕事を与えてあげているのだから、と。リサイクルも全然しないと言っていました。
なぜなら集積場にいる人々にゴミを選り分ける仕事を与えているのだからと。逆に、失業者対策になる、等ということを言っていました。

彼のものの捉え方の中には、公共の概念が抜け落ちているようでした。人間は、公共の場、というものを持っていること、そしてそれを互いに協力しながら維持しつつ、私的空間とのバランスをとりながら生きていく存在であるということ、が彼の認識の中にはないと思いました。
彼にとって人間とは、経済活動を基盤に私利私欲を満たす、公共から分断された主体でしかないのでしょうか。

大船でゴミを捨てる人々はどういった心理でゴミを捨てているのでしょうか。
僕の友人のような考え方を持っているのでしょうか。
定かではありませんが、とても興味深いです。

今日の清掃を通じて、ゴミをポイ捨てする心理や、公共性というものについてもっと深く考えてみたいと思いました。
 
 

 
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