
義時おじいちゃん
ちょちょ、ちょっと! 市長!

松尾
おや、今度はおじいちゃん。

義時おじいちゃん
そうじゃ、次はワシじゃ。孫とばあさんには、どうも任せておけん。

松尾
と、おっしゃいますと?

義時おじいちゃん
もう黙っておれん。どうしても鎌倉市に言いたいことがあるんじゃ。

松尾
はい、伺います。

義時おじいちゃん
最近、コロナ対策などで忙しいのはわかるけど、市役所で事務ミスが度々おきているようだが、どういうことだ!

松尾
はい、たいへん申し訳ありません。

義時おじいちゃん
市役所全体がたるんどるんではないか?

松尾
おっしゃるとおりです。一部職員の仕事へのモチベーションが低いのは否定できないことです。

義時おじいちゃん
民間企業なら、すぐにクビだ。そもそも業績が悪ければリストラするのが当たり前だろう。公務員だから安定してると思って、仕事をなめとる。そもそもトップがもっと厳しくしなきゃいかんじゃろ!

松尾
市民の皆さんの感情もごもっともです。鎌倉市でも職員に対する評価制度を導入していて、分限処分も行うことを検討しています。

義時おじいちゃん
ぶ、分限処分? はて。

松尾
分限処分とは、公務員の勤務実績がよくない場合など「あなたはこの仕事に向いていないので、別の職業に移ったら」と命じる処分のことです。

義時おじいちゃん
ほう、それはかなり厳しい処分だな。確かにそうした処分があるとなれば、気持ちは引き締まるだろう。

松尾
もちろん信賞必罰ですから、優秀な職員への表彰制度もあります。頑張っている職員のことも、市民の皆さんにはぜひ知っていただきたいと思います。

義時おじいちゃん
しかし、そもそも事務ミスが度々起きるということは、鎌倉市役所全体が組織的な問題を抱えているからではないか?

松尾
それも否定できないと思います。職場の風通しがいいとはいえず、職員のコンプライアンスに対する意識も決して高いとは言えません。

義時おじいちゃん
コココ、コンプ?

松尾
コンプライアンス。法令遵守や法理的責任に対する責任感のことです。

義時おじいちゃん
ふむ、それが欠けていると?
うーむ、それは公務員としてはゆゆしき問題じゃぞ、市長。

松尾
平成28年に職員に対するアンケートをとったのですが、1割を超える職員が「仕事で法的問題があると感じている」と答えていました。コンプライアンスに関する様々な取組により、令和元年のアンケートでは、数は少なくなっているものの、ゼロにはなっていません。問題は、そういう現実を認識しているのに、指摘したり改善したりできない風土が未だ残っているということです。そこは時間がかかっても徹底的に改善していく決意です。

義時おじいちゃん
もし目の前の仕事に追われてそうしたことが後回しになっているとしたら、仕事の進め方そのものも見直すべきじゃな。

松尾
おっしゃるとおりです!
コロナ禍で、職員の仕事量が増えつつあります。そのため、業務が重すぎないか、偏りはないか、全庁的に調査し、最新のテクノロジーなども活用し、効率化という点で成果を上げつつあります。

義時おじいちゃん
なるほど、簡単ではないだろうが、行動を起こすことが改革への第一歩じゃな。

松尾
市民の皆さんに頼りにされ、信頼される市役所にならなくてはなりませんから、ぜひこれからも厳しく見守っていただければと思います。

義時おじいちゃん
わかった。市役所がどう変わっていくか、しっかりと見させてもらおうか。

松尾
耳の痛いご意見も、ぜひうかがえればと思っています。