いざ、鎌倉フロンティアへ!月間「温故知新」鎌倉
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  月間「温故知新」鎌倉No.104 − 2010年12月1日(水)  
  11月25日、『山崎浄化センターバイオマスエネルギー回収施設整備に代わるごみ焼却量削減策等検討結果』を議会へ報告しました。

私が昨年の選挙の際に掲げたマニフェストに、当施設整備を『一から見直しを行います』と明記をしておりましたが、今回、施設整備に代わる、ごみ削減の代替案を示しました。

そもそも、バイオマスエネルギー回収施設を、今、造るべきではないという結論に至った理由は大きく2つあります。

1つは、コストの面です。施設整備には多額の経費を要します。今後30年間での経費合計は、約610億円。それに対して、今回の代替案では
545億円。また、戸別収集+有料化を実施しない場合には512億円と、それぞれ65億円、98億円費用が安く抑えられます。

そもそもごみ処理費用について、鎌倉市は市民
1人あたりで計算すると19,886円かかっていることになり、これは神奈川県の平均11,954円と比較すると、大変高額であることが分かります。
そして今後、鎌倉市内の多くの施設が老朽化を迎え、それらの維持管理、改修等の整備費用は、年間数十億円を超える見込みです。

約1000億円の借金をしている鎌倉市が、今後、税収増も見込めない中で、新しい施設を造るには、慎重にならざるをえません。

2つ目には、安定稼動の問題があります。下水道汚泥と、(家庭と事業者から出る)生ごみの混合処理をする施設で、鎌倉市が建設予定している規模のものは、全国をみても稼動実績がなく、普及をしていないのが実態です。加えて、故障時の修繕ノウハウが蓄積されておらず、そのためのメンテナンス費用もまったく未知数です。

この2つが主な理由です。
そして、発電できる素晴らしい施設だと言われますが、発電量は山崎浄化センターの電気使用量の30%〜50%。また、下水道の脱水汚泥を焼却しなくなると言われますが、焼却量は11,510トンから8,324トンと、約28%が減るだけです。

発電効率やコストは、今後の技術改良によって、さらに効率的になる可能性があると指摘をされていますので、今の段階で造ってしまうより、今後の実績と、より効率的な技術に改良されることを見定めることが大切だと考えます。

ごみ問題は、市民にとって、とても身近で、重要な問題です。今回の代替案は、みなさんが、それぞれの立場で、出来ることに取り組んでいただくことを基本としています。ですので、例えば家庭用生ごみ処理を、何らかの理由で取り組めない方にまで強制するようなものではありません。

ごみを減らせば減らすほど、ごみ処理費用が安くなり、その分を、子どものための予算や教育、福祉分野の予算に配分することができます。
 
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Akiary v.0.61