いざ、鎌倉フロンティアへ!月間「温故知新」鎌倉
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  月間「温故知新」鎌倉No.85 − 2008年8月1日(金)  
  ■■■大船マンション問題■■■

大船マンション問題について、事業者が神奈川県を訴えているということは以前にもお伝えしたとおりですが、その訴訟において、なんと鎌倉市が『事業者側』に補助参加を申し出たという発表がありました。

「補助参加」とは、民事訴訟法第42条の『訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる』というものです。

つまり鎌倉市は、明確に神奈川県と対立する立場になったと私は考えます。確かに自治体によって立場の違いがあった場合、それを尊重することがあっても良いのかもしれません。しかし、事業者側につく鎌倉市は、いったい誰のために行政をやっているのでしょうか?

鎌倉市は事業者から、『(今回の)裁判で敗訴した場合には、違法な行政指導をした鎌倉市に損害賠償請求の訴訟を起こす』という内容の訴訟告知を受けています。

鎌倉市長は今回の判断を『鎌倉市民の利益を守りたい』と説明をしていますが、これまでに市民の要望や議会決議などに、誠意ある対応をしてきたとはとても思えません。結局は(自分たちが)損害賠償請求を回避したいだけではないかと疑われても仕方がありません。言葉では何とでもうまく取り繕うことができますが、『本心』はこれまでの行動をみれば分かることです。

いつも業者側の立場で判断をしてきた鎌倉市の開発行政の行く先に、鎌倉市民の望む未来があるのか、とても疑問です。

■■■コンクリート偽装問題■■■

JIS(日本工業規格)で認められていない溶融スラグ骨材を使用したコンクリートが、神奈川県が工事中の「大仏隧道改築工事(大仏様から深沢方面に抜けるトンネル)」に使用されていたことを受けて、現地を調査してきました。
偽装コンクリートが使用されたのは、

●1次覆工コンクリート⇒トンネル内部に吹きつけている部分
●深沢側坑門コンクリート⇒トンネル入口部分
●防音壁の基礎コンクリート

の3か所。
安全性の確認については、現在、強度試験と成分試験を行っているので、その結果待ちという状況ですが、公共事業にJISに合わないコンクリートを使っていること自体が大きな問題であることや、経年で激しく劣化するとしたらどうなるのか等、課題は多いと考えます。安全を第一に考え、二度とこのようなことが起こらないよう、再発防止策を定めることは必須です。

このことにより、7月中に片側通行を終える予定が、来年3月まで延長して片側通行になる予定で、周辺にお住まい方々やトンネルの利用者には大変なご迷惑をかけることになってしまいました。

■■■フレンドリースタッフ派遣事業■■■

フレンドリースタッフ派遣事業とは、小学校における不登校・いじめの未然防止の対策として、学校へ大学生を派遣する事業で、本年度は予算が約320万円計上されています。

小学生にとって、大学生はとても親しみやすい存在で、良い関係を築くことができることなどから、とても人気が高い事業です。今年は県内小学校118校が希望をしましたが、予算の関係等から40校にしか派遣ができない見通しとなっています。

現在は県とNPOとの協働事業ですが、市町村が主体的に取り組んでいけるように、県とNPOとの協働の方法を市町村で活用できるようにして欲しいと、文教常任委員会にて要望しました。

不登校・いじめ対策としては、相談員としてスクールカウンセラーが各校へ配置されておりますが、こちらは全体で3億円を超える予算となっています。

こうした対応も大事ですが、約100倍もの予算の差を考えると、フレンドリースタッフ事業のような「予防」対策にもっと力を入れていくことが重要であると考えます。
 
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