松尾たかしの政治日記
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  2011年2月17日(木) 山崎バイオマスエネルギー回収施設の懸念事項  
  本日の議会で、山崎バイオマスエネルギー施設の技術的な懸念事項について、答弁をしましたので、その内容を掲載します。

まず、同規模の施設は全国をみても稼動実績が少なく、普及していないのが実態です。
メタン発酵については、大きく捉えると全国約620件あるといわれ、その1部は技術が評価されていますが、鎌倉市が建設しようとしていた割合でバイオマスを混合し、技術評価を行った事例はありません。そういう意味でも、情報が不足をしております。

先日、総務省が「バイオマスの利活用に関する政策評価」を発表しました。「バイオマス・ニッポン総合戦略」および、これに基づくバイオマスの利活用に関する政策が、どのような効果を挙げているかなどについて、初めて政策評価を実施しました。
それによると、バイオマス関連事業について、効果が発現しているものは、214事業中35事業(16.4%)のみ。しかしこれら35事業についても、国の補助により整備された施設の稼動が低調なものが多いなど、期待される効果が発現しているものは皆無、という評価になっています。

メタン発行は微生物を利用した処理なので、経験的管理が必要です。現場の方にお話をお伺いすると、その管理はとても難しいと言われます。また、発行不適物(卵の殻、かに・海老の殻、貝類、とうもろこしの芯、水に溶けない粉等)が混入した場合に、不具合を生じる場合があります。

そして、微生物を利用した処理なので、立ち上げに長期間が必要です。立ち下げ時にも、メタンガス等への安全な対応のため、一定の時間が必要となります。一旦ダウンした場合に、立ち下げて、補修等を行った後、立ち上げるのに、多くの時間を要します。
また、活性の度合いが落ちた場合、処理能力が落ちるが、その際の生ごみの処理をどうするかが、大きな課題となります。

これらの実例として、
・メタン発酵槽の不具合のため、運転を一時停止した。不具合は2系列の両方に共通であったため、施設の運転を50日完全に停止した。運転再開後も1ヶ月は20%の稼動率、その後50%の稼働率、と段階をふんでいる(バイオエナジー株式会社)
・立ち上げには、3ヶ月〜半年が必要(バイオエナジー株式会社、横浜市)
・卵殻、貝殻等のカルシウムにより、機器の故障が生じるため、取り除く必要がある(北海道の施設)
・投入ごみに蛋白質の割合が高くなると、アンモニアが発生して、メタン発酵阻害が生じるので、投入ごみの管理、制御に苦慮している(京都府の施設)
・異物の混入による選別機の破損、故障が生じる(北海道の施設)、
・プラスチックの混入が多く、除去が困難であり、混入したものが発酵槽に残留して設備の閉塞原因となっている(京都府の施設)
・脱離液に固形分が出てしまって、トラブルが生じた(横浜市)

などがあります。
 
  2011年2月17日(木) 市民の方による、まち美化の活動  
  鎌倉学園の生徒さんが、鎌倉を美しくする会と協働で、鎌倉駅東口を綺麗にしてくださったというご報告がありました。

詳しくはこちらをご覧ください⇒鎌倉を美しくする会
 
  2011年2月16日(水) バイオマスエネルギー回収施設を建設しないことについて  
  友人から、昨日の日記を見て、「鎌倉市との関係を教えて」と尋ねられました。そういう方のために、もう一度、詳しくご説明いたします。

私が市長選挙の際に掲げたマニフェストに、山崎バイオマスエネルギー回収施設整備を『一から見直しを行います』と明記をしておりました。そして昨年11月に、施設建設をせずに、焼却ごみの削減によって、現在のごみ行政を進める代替案を示しました。

そもそも、バイオマスエネルギー回収施設を、今、造るべきではないという結論に至った理由は大きく2つあります。

1つは、コストの面です。施設整備には多額の経費を要します。今後30年間での経費合計は、約610億円。それに対して、今回の代替案では545億円。また、戸別収集+有料化を実施しない場合には512億円と、それぞれ65億円、98億円費用が安く抑えられます。

そもそもごみ処理費用について、鎌倉市は市民1人あたりで計算すると19,886円かかっていることになり、これは神奈川県の平均11,954円と比較すると、大変高額であることが分かります。約1000億円の借金をしている鎌倉市が、今後、税収増も見込めない中で、新しい施設を造るには、慎重にならざるをえません。

2つ目には、安定稼動の問題があります。下水道汚泥と、(家庭と事業者から出る)生ごみの混合処理をする施設で、鎌倉市が建設予定している規模のものは、全国をみても稼動実績が少なく、普及をしていないのが実態です。加えて、故障時の修繕ノウハウが蓄積されておらず、そのためのメンテナンス費用もまったく未知数です。

この2つが主な理由です。
そして、発電できる素晴らしい施設だと言われますが、発電量は山崎浄化センターの電気使用量の30%〜50%。また、下水道の脱水汚泥を焼却しなくなると言われますが、焼却量は11,510トンから8,324トンと、約28%が減るだけです。

発電効率やコストは、今後の技術改良によって、さらに効率的になる可能性があると指摘をされていますので、今の段階で造ってしまうより、今後の実績と、より効率的な技術に改良されることを見定めることが大切だと考えます。

ごみ問題は、市民にとって、とても身近で、重要な問題です。今回の代替案は、みなさんが、それぞれの立場で、出来ることに取り組んでいただくことを基本としています。ですので、例えば家庭用生ごみ処理を、何らかの理由で取り組めない方にまで強制するようなものではありません。

ごみを減らせば減らすほど、ごみ処理費用が安くなり、その分を、子どものための予算や教育、福祉分野の予算に配分することができます。
 
  2011年2月15日(火) バイオマス事業の効果ゼロ  
  214バイオマス事業で効果ゼロ 総務省が改善勧告(テレ朝ニュースより)

バイオマス事業における、その他の報道です。

総務省:バイオマス関係事業 政策効果「皆無」と判定
(毎日JP)
 
  2011年2月14日(月) バイオマスの利活用に関する政策評価  
  総務省バイオマスの利活用に関する政策評価<評価結果及び勧告>

ポイント

◦ 総務省行政評価局は、「バイオマス・ニッポン総合戦略」(平成14年12月27日閣議決定、18年3月31日改正)及びこれに基づくバイオマスの利活用に関する政策が、総体としてどのような効果を上げているかなどについて、初めて政策評価を実施
(注) 「バイオマス」とは、再生可能な生物由来の有機性資源。食品廃棄物(生ごみ等)、家畜排せつ物、林地残材、稲わらなど

◦ バイオマス利活用施設の設置数の増加など、バイオマスを利活用するための環境が整備されつつある。

◦ しかし、調査の結果、(1)政策全体のコスト(決算額)、(2)バイオマス関連事業の効果(アウトカム)、(3)バイオマスタウン構想の進捗状況、(4)バイオマスの利活用現場(バイオマス関連の施設)におけるCO2削減効果等、政策の有効性や効率性を検証するためのデータがこれまで十分に把握されていなかったことが明らかになった。

◦ 当省が、本政策評価でこれらの事項を把握・分析した結果、以下のような課題あり

1. バイオマス関連事業について、バイオマス関連の決算額が特定できたものは214事業中122事業(57.0%)の1,374億円(平成15年度〜20年度)。残り92事業の決算額は関係省において特定できていない。
 また、効果が発現しているものは214事業中35事業(16.4%)。これらについても、国の補助により整備された施設の稼働が低調なものが多いなど、期待される効果が発現しているものは皆無。さらに、バイオ燃料の製造施設に対する補助事業を3省でそれぞれ実施するなど、複数の省や部局が類似の事業を実施しており非効率な例あり

2. バイオマスタウン構想に掲げる取組(785項目)のうち、構想どおりに実施されているものは277項目(35.3%)にとどまる。また、目標の達成度を測るバイオマス利用率の変化について、全てのバイオマス原料を把握しているのは90市町村中15市町村(16.7%)にすぎない。

3. バイオマス関連施設について、CO2収支を把握しているものは132施設中3施設(2.3%)。また、CO2収支等4項目のCO2削減効果について、学識経験者の知見を得て当省が試算した結果、全ての試算項目において効果が発現しているものは77施設中わずか8施設(10.4%)

◦ これらの課題を改善するため、平成23年2月15日、関係6省(総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)に勧告

総務省バイオマスの利活用に関する政策評価<評価結果及び勧告>
 
  2011年2月8日(火) ゆりかごからゆりかごへ  
  ゆりかごからゆりかごへ。
これは、持続の可能性や完全リサイクルを目標に掲げ、役割を終えたものを廃棄するのではなく、原材料から作られたモノを再び原材料に戻そうという、新しいモノづくりの考え方になります。私は、この考えを、ものづくりだけでなく、まちづくりの基本として、常に意識をしながら行政運営にあたっていきたいと考えています。
以下、もう少し詳しい説明を引用します。

*****

ゆりかごから墓場へ。今を生きる私たちのライフスタイルを振り返ってみると、あらゆるものに対して、この言葉があてはまるのではないでしょうか。電化製品、洋服、食べ物、生活雑貨・・・。
これらが不要になった瞬間、ゴミとなり、その最後の行方は私たちはもちろん、メーカーでさえ知らない。そんな今のライフスタイルを続けていると地球は2つ必要になるそうです。
しかし、”Cradle To Cradle(C2C)ゆりかごからゆりかごへ”はこの概念を覆す革新的な概念として、企業に受け入れられ始めています。
それは、 C2Cでは「ゴミ」という概念は存在しないのです。原材料を選定する段階で土に返る素材もしくは、人間の技術的な循環のなかで永久にまわりつづけるようなものを選んでデザインをするのです。現在、C2C認証されている企業は24社ほどですが、これから、増えていくのではないでしょうか。

また、一見実現が難しいそうにみえるC2Cも実は、私たち日本の国をお手本にしていると提唱者は語ります。

未来のライフスタイルが私たちが暮らす国の昔にヒントがちりばめられているのは、とても誇らしいことだと思いませんか?C2Cは、日本の美や知恵を見つめ直すこととそれを発信するきっかけを与えてくれそうです。

「ゆりかごからゆりかごへ」の紹介映像
 
  2011年2月6日(日) さあのはらへいこう  
  本日は「さあ のはらへ いこう」の完成披露上映会&記念講演。
2時間の映画ですが、とても面白く、眠くなる暇がありません。

1歳のこどもが、親と別れてずっと泣きながら歩いていますが、泣き止むと、とても楽しそうに遊び出します。
泣きながら崖を登る子、泥が苦手な子・・・最初は、みんながみんな、何でもできるわけではないところから始まって、3歳になると、見違えるようにたくましく成長しています。それだけでも、すごい。

途中、何度も場内から笑いが起こり、そして最後には、泣けます。私は、ドキュメンタリー映画で泣いたのは、初めてです。

監督の桐野直子さん、撮影の中村稔さんをはじめ、このような素晴らしい作品を作られ、世の中に提供していただいたことに、心から感謝を申し上げます。そうそう、映像は、ずっと子どもの目の高さで撮影されています。これも大変だっただろうなあ。
そして何よりも主演・・・ではないですが、青空自主保育「なかよし会」専任保育者の相川明子さん。

相川さんの講演で、みんな、普通の親なんです。私も最初は、何も知らなかったんですよ、子どもたちが私をひっぱってくれました。という趣旨のお話をされていたのが、とても印象的でした。

子育て真っ最中の親御さんはもちろんのこと、お孫さんを持つおじいちゃん、おばあちゃんにも、お勧めです。みなさんに、ぜひとも観ていただきたい作品です。

予告編はこちらから
 
  2011年2月3日(木) 鎌倉梅酒  
  今日から、かまくら梅酒の販売を開始します。720mlで、1380円。4500本の限定販売。
建長寺や円覚寺、浄妙寺で取れた梅で作っています。今年は梅が不作で販売本数が少ないそうですので、お早めにお求めください。

かまくら梅酒販売店一覧
 
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Akiary v.0.61