いざ、鎌倉フロンティアへ!月間「温故知新」鎌倉
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  月間「温故知新」鎌倉No.75 − 2007年9月1日(土)  
  ○神奈川県は争う姿勢

大船観音前マンション問題に関して、神奈川県が訴えられ、9月10日、第1回口頭弁論が横浜地方裁判所で開かれました。原告の開発業者は、
@ 審査請求人の中に不服申し立て資格のない住人がいる
A 聴聞や弁明の機会が与えられなかった
B (補正では認められず)開発申請を出し直させなければならないという規定はない
などとして、『裁決は違法である』と訴えています。

これに対して神奈川県は
@ 開発区域周辺に住居する審査請求人に不服申し立て適格が認められるのは明らかである
A 開発審査会の求めがあったにもかかわらず、業者は審査請求への参加を辞退している
B 補正は法律の根拠がなく、不可能であり、新たな開発許可の申請が必要である
と、徹底的に争う姿勢を見せました。

神奈川県の対応は、当然のことだと考えます。
そして、何よりも引き続き危険な状況になっている現場を修復する必要がありますので、これは、鎌倉市の一刻も早い対応が求められます。

○鎌倉市はどっちを向いている?

鎌倉市材木座の宅地開発を違法だとして、住民が『鎌倉市の開発許可の取り消し』を求めた審査請求について、8月30日、神奈川県開発審査会の口頭審理が開かれました。

その中で、大船観音前マンション問題と関連して、県開発審査会の金子会長から改めて指摘があったのが、都市計画法32条、33条についての鎌倉市の考え方です。

都市計画法32条の解釈では、例えば市道などがあった場合、公共施設管理者の立場として同意を拒めるものではありませんが、大船観音前マンションの時のように260−2の市有地(道路ではない)や、材木座の豆腐川(底地は市の所有)の場合、都市計画法33条14項の解釈でいえば、同意することも、同意しないことも土地管理者(この場合、鎌倉市)としてはできると、会長は指摘をしているのです。

これは言い換えれば、鎌倉市が『開発をさせない』という強い意思があったのならば、開発をさせないことができたということです。この点は、大船観音前マンションの時にも指摘をされていたにも関らず、まだ認識を改めていないのです。

こうした点が、鎌倉市の開発行政は業者寄りだと指摘をされる要因の1つだと考えます。この姿勢を変えない限り、開発に対する住民の反発は絶えることはないでしょう。鎌倉市は、そこをしっかりと認識をする必要があります。

○宮城県議会 議員立法の取り組み

宮城県議会では、平成10年以降、議員提案条例が19件あり、そのうち政策条例は17件あります。この数字だけを聞くと、『それだけ?(1年に1本だけではないか)』と思われるかもしれませんが、政策的な議員提案条例を1年に1本のペースで制定させている議会は、全国的にみてもほとんどないのが現状です。なんとも情けない話ですが、それが現実です。
宮城県議会において議員立法が策定されるようになった背景には、若手議員を中心として改革志向の議員が新会派を結成したこと、また当時の浅野知事が議員立法に寛容であったことなどが挙げられるようです。
議会と行政、ここまで大きな力の開きが出てしまったこと、また議員不要論が出ている現状を思うとき、議員のあり方、議会のあり方を抜本的に見直していかねばならないと強く感じます。
目的と手段を間違えてはいけませんが、選挙公約で掲げたこと、現在抱えている課題の解決のために、私も精一杯頑張って参ります。
 
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matsuo@myad.jp