いざ、鎌倉フロンティアへ!月間「温故知新」鎌倉
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  月間「温故知新」鎌倉No.8 − 2001年6月1日(金)  
 
いざ、鎌倉フロンティアへ!    8 2001.6月号
議会に時間制限は必要か?

 鎌倉市は県下で唯一、議会の一般質問に、時間にも回数にも制限がありません。そして今回、それを見直そうという意見が出され、議論の結果、“申し合わせ”(拘束力はありませんが、努力目標です)ですが『1人につき、2時間をめどに行うこと』となりました。国会の党首討論のように、時間がきたら『はい、終わり』というわけではないのが救いですが、質問時間に制限を設けることに対して、私は反対です。
 
確かにここ数年、1人で1ヶ月近く質問したり、深夜にまで及ぶ議会が毎日続いたり、とても厳しい議会運営になっていました。そして市民の方がせっかく傍聴に来ても議会が空転し、1日中何も話し合わないまま終わってしまう、なんてこともあり『これじゃあ傍聴にも来てもしょうがないな』という意見もありました。もちろん、いたずらに時間稼ぎをしたり、意図的に議会を空転させたりするようなことは絶対にしてはいけませんし、だらだらと前置きの長い説明等は抜きにして、スパッと本題に入るなどの配慮も各議員が考える必要があります
 しかし、他の市での、制限のある一般質問などを見ても、あらかじめ決まっていることを議会という場で発表しているだけであって、決して議論と言えるものではないと思います。おそらく市民の皆様もそういう形骸化した議会を傍聴したいのではないと思います。議場という神聖なる場において真剣勝負で議論を交わす。それこそが真に市民に開かれた議会であると思います。

一般質問は新しい発言席から

議会運営委員会で議長から『一般質問の発言席を、議場の真ん中に特別席として作ってはどうか』という提案がされ、同委員会、本会議で了承されました。これによって一般質問者が前に出て発言するので議場内にさらなる緊張感が出ますし、今後早急に対応していかなければならないケーブルTVやインターネットを使っての生中継などの際、固定カメラによって発言者が前から映せる(今までは傍聴席からの撮影の為、後ろ姿しか撮影出来ませんでした)などの利点もあります。9月の議会から、この新しい『発言席』が登場します。

資料がたくさん
建設常任委員会・委員の机の上には、『これでもか!』というぐらいの関係資料が置いてあります。委員会では担当職員さんが、『〜の資料をご参照下さい』といって、説明をしてくれるのですが、いきなり見せられても、専門用語が多くて、よく分からないものが多いのです。もちろん何でも質問は出来ますが、1つ1つ全て聞いていたら、とても時間がかかりますし、あらかじめ自分で調べておけばもっとスムーズに委員会が進むのではないかと思います。ましてや陳情に関しては、採択か不採択か、自分の意見をしっかりと述べなくてはいけませんので、事前に調べておく必要があり、より多くの資料を見せてもらえれば、より一層理解ができて、それが正しい判断に至ると思います。もっと慎重な議論が必要だと考えれば『継続審査』という判断もとれますが、陳情提出者側にとってみれば、早く白黒はっきりして欲しいというのが本音だと思います。ましてや2ヶ月、3ヶ月後では事の事態が進み、手遅れになっていたり、時間が経つにつれて、事実関係があいまいになってしまったり、というものもあると思います。そういった理由から、出来るだけ関係資料は当日配布ではなく、早目、早目に渡してもらえるように改善が望まれます。
千一議員について
千一(せんはじめ)議員(全身マヒの重度の障害、アテト−ゼをお持ちです)から次のような要望書が出されました。”他の健常者議員と格差なく生活することが出来、議員としての職務を果たすことに必要な週40時間以上の介助者を嘱託職員として雇用していただきたい。(議員介助者の市費負担)私のアテト−ゼ障害を良く知り、言葉を理解し意思疎通が出来る者がもとめられるので、介助者の人選は当事者である私に委ねられたい”
この後に、その理由説明へと続く文章になっています。そして各派代表者会議と議会運営委員会においてそのことが話し合われ、公的な議会活動(議会や委員会、公務出張)と私的な政治活動(文章作成や自宅での事務仕事等)に分けて対応するという方針のもと、公的な権利行使については事務局職員が介助する。その他私的な政治活動は介助しない、ということが大筋決まりました。様々な論議がありましたが、『議員であるからといって障害を持つ他の市民と異なる対応を行うべきではない』という考えが大勢を占めました。
録音は良いのでは?
千一議員が自分でメモをとれないので、その取り扱いについても協議されました。当然、録音テープによる許可が出るものかと思っていたら、結局、事務局が録音したテープを、要望があれば聞けるということになりました。いったい、テープに録音をすることが、どんなに弊害があるというのでしょうか?開かれた議会を目指そうとしている鎌倉市議会にとって、それはあまりにも残念な結果であるといわざるをえません。テープに録音されて、それを市民に流されたら困るような発言をしている議員はいないと思います。確かに議事録から削除されるような発言はあると思いますが、それだって良いと思います。今後、インターネットを使って議会が生中継されたり、委員会の内容を即日HPへアップしたりするなどの対応が求められ、それを実現しなければならないと思います。テープ録音ぐらいでつまずいていてはいけないと思うのですが・・・・。
 
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